カリウムとは
カリウムは野菜・果物・海藻類に多く含まれているミネラルの一種です。
人の体内には、体重1kgあたり2g存在するといわれています。人の体の細胞内に90%、細胞外に残りの10%が存在しています。カリウムは体内に吸収されると全身の細胞内に取り込まれていきます。
カリウムの主な働きはナトリウムと協力し合い細胞の浸透圧を保つことです。
カリウムとナトリウムは2:1の割合に保たれています。
この割合を超えてしまうと腎臓の働きにより汗や尿から排泄されます。
こういった働きを基本として細胞の代謝や酵素の活性化、神経や筋肉の動きをつかさどるという重要な働きがあります。
カリウムは人にとってとても大切な栄養素であることがわかります。
カリウムの効果・効能
カリウムを摂取することによる効果や効能を説明します。
1.高血圧を防ぐ、改善する
カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を体外に排出するはたらきがあります。日頃から塩分の多い食事をとっていると体の中のナトリウムが過剰な状態になります。バランスの良い食事をとっているとそこまでナトリウムはそこまで多くなりません。カリウムによって排出されるからです。しかしカリウムでは対処しきれないほどナトリウムが多くなってしまうと、そのナトリウムを薄めようと体の中に水分を取り込むようになります。水分が取り込まれると体液の量が増え、その結果、血管が圧迫されるようになり血圧が上がってしまいます。
ナトリウムの摂りすぎを防ぐと共にカリウムを十分摂取することによりもともと高血圧の方は血圧が下がり、高血圧でない方も高血圧を防ぐことができます。
2.筋肉を正しく動かせる
カリウムは筋肉の収縮にも関係しています。普段何気なく動かしている筋肉は、電気信号によって動かされているのです。この電気信号がカリウムと深い関係があるといわれています。筋肉の細胞にも他の細胞と同じように細胞内にカリウムが存在しています。カリウムはプラスのイオン(陽イオン)を持っています。細胞内のカリウムが細胞外に出ることにより、プラスのイオンである陽イオンが減ります。陽イオンが減ると細胞外よりも細胞内の電位が低くなり静止している状態になります。この時の筋肉は緩んだ状態です。
この緩んだ状態である時に筋肉細胞に刺激が与えられると、電位が低くなっている細胞内にナトリウムが一気に入ってきて電位が高くなります。この急激な変化により筋肉が収縮します。この繰り返しによって筋肉が動かされています。カリウムが不足すると筋肉が常に強張ったような状態になってしまい、筋肉をうまく動かせなくなります。
3.利尿作用
通常、塩分の多い食べ物のせいで体の中のナトリウムが増えると、カリウムが腎臓を使い尿や汗としてナトリウムを体の外へ出してくれます。このことからカリウムには利尿作用があると言われています。しかしナトリウムが過剰になると体内のカリウムだけでは追い付かなくなります。この時体内は水分を取り込みナトリウムの濃度を薄めようとします。味の濃い料理を食べるとのどが渇くのはこれが原因です。
水分をとることによりナトリウムの濃度は低くなりますが、この水分は体に長くとどまってしまうため、むくみの原因となるので注意が必要です。
4.むくみ解消
カリウムはむくみの原因であるナトリウムを体の外へ出し、体内のナトリウム濃度を正常に保たせます。むくみは、体内のカリウムが不足する・体内のナトリウムが過剰になることが原因です。日常的に塩分の多い食事をとっていると、体内にはナトリウムが増えてしまいます。ナトリウムが増えるとそのナトリウムの濃度を下げようと体内に水分を取り込もうとします。これにより体の中のリンパ液や血液などの水分が増え、むくみの原因となります。
カリウムが体内にあるとナトリウムを排出しようとするのですが、カリウムが不足しているとうまく排出されずにむくみとなってしまうので、カリウムの存在が大切だとわかります。
カリウムが不足の症状
カリウムが不足する原因は、
- 塩分のとりすぎ
- 大量に汗をかく
- 下痢やおう吐
- 野菜不足
があげられます。
参考画像元:食肉なんでも大図鑑
塩分をとりすぎることにより体内のナトリウムが増えると、カリウムが細胞外へ出て濃度を薄めようとします。この状態が続くとカリウムが細胞外へ出続けるのでカリウム不足となってしまいます。
また、カリウムは水に溶けやすい性質があります。
実は汗の中にカリウムが含まれているのです。真夏には大量に汗をかくことがあると思います。だるい、元気が出ないなどという夏バテの症状はカリウム不足が原因であるといわれています。
下痢やおう吐の場合、胃腸炎などでまったく水分を受け付けなくなると要注意です。
体の中から水分とともにカリウムが排出されてしまい、一気にカリウムが少なくなってしまいます。このことにより意識がもうろうとするなど重い症状があらわれることがあります。
普段の生活から考えられるのが最後の野菜不足です。
カリウムは野菜類に多く含まれています。
その野菜をあまりとらない生活を続けていると結果的にカリウム不足となってしまいます。
次にカリウムが不足するとあらわれる症状をあげます。
- 疲れやすく体がだるくなる
- むくみやすくなる
- 足をつることが多くなる
- 便秘や頻尿になる
- 高血圧、貧血になる
- 精神的に不安定になる
- 何事にもやる気がなくなる
- 食欲がなくなる
- 不整脈、急に動悸があらわれる
カリウムが不足してまず表れる症状は「体がすっきりしない、体がだるい」というなんとなく感じる体の不調です。体のだるさはカリウムが不足することにより筋肉の動きが鈍くなることが原因です。
ほかにあげているものも、普段何気なく感じることの多い症状だと思います。
この症状からカリウム不足では?と考える人は少ないのではないでしょうか。これらの症状の中で当てはまるものが多い人は、カリウム不足を考えてみてもよいかもしれません。
カリウムの一日の摂取量と過剰摂取による副作用
カリウムの一日の摂取目安量は18歳以上の男性で3000mg以上、18歳以上の女性で2600mg以上といわれています。上限摂取の目安は3500mgです。
男性(18歳以上) | 女性(18歳以上) | 上限 | |
---|---|---|---|
カリウム摂取量/日 | 3000mg | 2600mg | 3500mg |
これは普通に食事をしているだけだとほぼ超えることはないので心配する必要はありません。
しかしサプリメントを日常的に服用している人などは簡単に超えることが出来てしまうので注意が必要です。
カリウムを多く摂りすぎると「高カリウム血症」になることがあります。
高カリウム血症は、不整脈や心室細動、心臓麻痺などといった心臓病をひきおこします。最悪の場合は突然死となってしまいます。カリウムが筋肉の動きにとって重要であり、心臓は筋肉によってできているので関係性が高いのです。
また、心臓以外の筋肉にも異常が起こります。手足に力が入らなくなり思ったように動くことができません。
また注意が必要なのは腎臓疾患を持っている方です。
腎臓は尿によってカリウムを体外に排出するはたらきがあります。しかしこの腎臓の働きが悪くなるとカリウムを排出することができなくなります。この影響で健康な人よりも体内のカリウム量が多くなり「高カリウム血症」を引き起こす可能性があります。
そうならないために、腎臓疾患の方はカリウムを制限する食事を食べることになります。食事ではコントロールできなくなると人工透析を行うようになりカリウムの量や水分量を厳しく制限されることになります。
腎臓疾患をお持ちの方は、主治医の指示に従いカリウムを摂取・制限するようにしてください。
カリウムを多く含む食品と効率的な摂取方法
カリウムが多く含まれる食品を紹介します。
野菜だとあしたば・モロヘイヤ・ほうれん草・かぼちゃなど。果物だとアボカド・バナナ・メロン・キウイフルーツなど。豆類だときな粉・納豆など。海藻類だととろろこんぶ・わかめ・ひじきなどに多く含まれています。
しかしカリウムには水によって流されやすく、熱を加えると破壊されやすいという性質があります。このことから効率よくカリウムを摂取するためにはなるべく調理をせず食べられるものを選ぶことが大切だということがわかります。
そこで調理なしで手軽に摂取できる食品でカリウムが多く含まれているものをランキング形式で紹介します。
手軽に多くカリウムを摂取出来る食品ランキング
アボカド 含有量720mg
ひきわり納豆 含有量700mg
やまといも 含有量590mg
ゆで大豆 含有量570mg
焼き芋 含有量540mg
(含有量は食材100gあたり)
アボカドは女性に人気の食べ物です。そのままカットして食べられるので効率よくカリウムを摂取することができます。レタスなどの生野菜と一緒にサラダとして食べるとアボカド以外からもカリウムが摂取できます。
焼き芋は熱を加えていますが元々のカリウム量が高いため多く残っています。
やまといもはそのまますりおろし、とろろご飯などにすると食欲がない場合でも食べやすいです。ゆで大豆や焼き芋は火を通していますが、元々のカリウムの含有量が高いため水や熱により損失してもここまで多く残っています。
こちらは1回の摂取量は少ないけど、継続してとることにより効率よくカリウムが摂取できると期待できる食品のランキングです。
継続摂取でカリウムを効率的に摂取できる食品ランキング
パセリ 含有量1000mg
豆みそ 含有量980mg
昆布の佃煮 含有量770mg
ザーサイ 含有量680mg
きゅうりのぬか漬け 含有量610mg
(含有量は食材100gあたり)
100gあたりの含有量を載せていますが、これらは一回に100gも摂るのは難しいので1/10程度で考えた方が良いでしょう。カリウムはすぐに体内から排出されてしまうので、毎日継続して摂取することが大切です。少しの量でも積み重ねていけるので覚えておくと安心です。
注意すべき点はナトリウムの存在です。せっかくカリウムをたくさん摂取しても、体内のナトリウムが多くなるとナトリウムと共に排出されてしまいます。
カップラーメンや加工食品をよく食べる人はナトリウムが多くなっています。ナトリウムは、普通の食事で摂取する分には気にしなくても大丈夫ですが、カップラーメンなど加工食品にはとても多く含まれています。もし今ナトリウムを多くとる食生活を送っている人は、カリウムをたくさん摂ることを考えるだけでなくなるべく加工食品に頼らないようにするなどナトリウムを減らすことも意識することが必要です。
カリウムを青汁で摂るメリット
カリウムだけをたくさん摂ろうとするなら、カリウムを多く含む食品を摂ればいいですが、必要な量が多くなかなか続かないかと思います。そこでおすすめしたいのがカリウムを青汁で摂るという方法です。
青汁には主に3種類あります。大麦若葉が主成分のもの、ケールが主成分のもの、明日葉(あしたば)が主成分のものです。それぞれカリウムが豊富に含まれているのですが、より多くのカリウムを摂取したい人はぜひ「明日葉」が原料となっている青汁を選んでみてください。
それぞれのカリウム含有量は
大葉 | ケール | 明日葉 | |
---|---|---|---|
カリウム含有量 | 228mg | 420mg | 540mg |
となっています。
明日葉が一番多くカリウムを含んでいます。カリウムを摂取する目的とするなら、同じ青汁でも明日葉が原料のものを選ぶことにより効率的にカリウムを摂取することができます。
また青汁からカリウムを摂るうえでのメリットがあります。それはカリウムだけでなくさまざまな栄養素が豊富に含まれているということです。
同じ野菜からずっとカリウムを摂っていると、その野菜に含まれていない栄養素は不足してしまいます。その不足を補うためにまた違う食品を探さなくてはいけません。しかし青汁にはビタミンやミネラル、ナトリウムがバランスよく含まれています。
ビタミンやミネラルなどは体に必要な栄養のベースといわれています。炭水化物・たんぱく質・脂質をエネルギーとして使うために、ビタミンやミネラルを使い体の中で変換していきます。いわゆる潤滑油のような役割で、ビタミンやミネラルが不足すると上手にエネルギーが生まれません。またナトリウムをとることにより、カリウムとのバランスが保たれ、よりよいカリウムの働きが期待できるようになります。
このことから、カリウムだけを摂取するのではなく青汁からカリウムやビタミン・ミネラル・ナトリウムをバランスよく摂ることをおすすめします。
まとめ
最近体がだるい、疲れがとれにくいという悩みのある人はカリウム不足が原因かもしれません。
カリウムを多く含む野菜を摂ることが大変だと感じる方はぜひ明日葉を原料とした青汁を試してみてください。
青汁のおかげでカリウムだけでなくビタミン・ミネラルも共に摂取でき、疲れ知らずで元気な毎日を送ることができるでしょう。
カリウムを摂取したい方にオススメ青汁
サンスター粉末青汁
明日葉配合でカリウム摂取が可能な青汁。
ブロッコリーを主成分として、ケール、大麦若葉、モロヘイヤも配合されているので、青汁らしい青汁をお探しでしたらコチラがオススメ。
飲みやすさに関してはかなり青汁らしい味とニオイな為、これから青汁生活を始めたい方は好みの飲み方を探す必要は有り。
サントリー極の青汁
微量ではあるがカリウムを含む明日葉を配合し、主成分として大麦若葉も配合されている商品。
国産の原材料を使っているため安全性も高く、ビタミン、食物繊維なども含まれているのでバランス重視の方向け。
味に関しても宇治産煎茶・愛知産抹茶で飲みやすいブレンドとなっているので、飲みやすく継続しやすいのもポイント。
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