青汁 効果

青汁に効果を望んでしまうのはなぜ?

青汁と緑黄色野菜

 

青汁というと身体にいいイメージが非常に強いと思います。青汁を飲むことによって短期間で何らかの効果が得られたり、病気の予防ができると信じている人は多いでしょう。でも、一体どうして青汁に効果を期待してしまうのでしょうか?

 

緑黄色野菜が主な原材料であるため

まず第一に、青汁の原料のほとんどが緑黄色野菜であることが一つの理由です。緑黄色野菜は人間に必要な野菜の代表でもあり、食生活において積極的に取り入れるべきものとして知られています。

 

青汁であれば手っ取り早く緑黄色野菜を摂取することができるので、青汁で健康になれると信じられているものと考えられます。ミネラルやビタミンを集中に摂取できることも青汁の効果を期待する一因でしょう。

 

青汁に短期的な効果はない・特定の効能効果を期待するのは間違い

食事と青汁

 

例えば「青汁で痩せる」「青汁で血圧が下がる」「青汁でアンチエイジング」などのように特定の効果を求めることは間違っています。なぜなら、青汁は食品であり医薬品のような効能効果を標榜できるものではなく、身体に対しての作用も緩やかだからです。

 

また、「青汁だけ飲んでいれば野菜は食べなくていい」「食事の代わりに青汁を飲んでいれば大丈夫」といった偏った考えで摂取することも良くありません。青汁に含まれる栄養素は人間にとって必要な栄養素の一部だけであり、基本は正しい食生活を3食きちんと摂ることが欠かせないのです。

メーカーの効果があるような誇大広告に惑わされず正しい目線で選ぶこと

効果があるように見せかけている販売側の問題もあるので、消費者である私たちは正しい判断をすることが大切です。明確な効能効果を書いていなくても、視覚的なイメージや口コミなどであたかも効果があるように見せている場合もあります。

 

ただし、一部のトクホなどでは実際に臨床試験を行なって効果を確認している商品もあります。求める効果が本当に期待できるのかどうか、正しい目線を持って選ぶことが大切です。

 

青汁は正しい使い方を続けることで美容や健康によい役立ちが期待できる

「青汁は医薬品ではないから効果はない」と言ってしまえばそれで終わりですが、実際に私たちはいろいろな食べ物の恩恵を受けて生きていますよね?
青汁にも栄養補給という側面から考えれば健康における効果が全くない訳ではありません。

 

青汁による健康効果は、「食物繊維」が多いことが一つの要因として挙げられます。例えば、食物繊維を摂取すると次のような役立ちが期待できると言われています。

・血糖値の上昇を抑える
・脂質の吸収を抑える
・腸内環境を改善する
・便通を整える
・腹持ちが良くなり食欲を抑えられる

もちろん個人差があるため、必ずしも絶対に効果が出るわけではありませんが、食物繊維には上記のような優れた効果があることが分かっています。

食物繊維のほかに青汁に含まれる栄養素やと健康・美容のおける役立ち

青汁に含まれているのは食物繊維ばかりではありません。他にも様々な栄養素が含まれています。次にそれぞれの栄養素と作用についてまとめました。(1)

 

ビタミンC
ビタミンE
抗酸化作用、アンチエイジング作用
SOD酵素 活性酸素を除去
カリウム むくみ解消、血圧の調整
食物繊維 便秘解消、コレステロールの抑制、腸内環境改善による免疫向上
葉酸 貧血予防
クロロフィル 抗酸化作用

 

青汁を飲めばこのような効果が得られると誤解してはいけませんが、継続して摂取することで身体にとってプラスとなる栄養が豊富に含まれています。

青汁だけで解消しようとしない!正しい使い方は食事に足りない栄養を補給すること

青汁を摂取して健康や美容のために役立てることは決して間違ってはいませんが、過度に青汁に期待しすぎるのは危険です。

 

例えば、ダイエットのために青汁だけ飲んで痩せようとしたり、血圧を下げたいからといって青汁を大量に飲んだりすれば健康を害することもあります。

 

青汁は特定の効果を期待するべきものではなく、あくまでも栄養補給のためと考えて摂取することが大事です。栄養不足により乱れがちな身体の機能が正常に働くためのサポートとして活用しましょう。

青汁は栄養の乱れ・食事が偏りがちな方に強い味方になる

健康的な女性と青汁

 

栄養素は身体を動かすため、健康な身体を維持するために必要不可欠です。事実、栄養バランスが忙しい生活や乱れた食習慣により悪くなり、健康を害している現代人が増えています。「生活習慣病」と呼ばれる高血圧・糖尿病・脂質異常症はまさにその典型で、食習慣の乱れと運動不足が根底にあることが多いのです。

 

栄養バランスの乱れを飲むだけで簡単に補うことができることが青汁のメリットです。十分な食事をとれない時、自炊が難しい人に青汁は強い味方となってくれるでしょう。

 

栄養が偏りがちな若い世代や食事量が減りやすい高齢者に。

まだまだ健康なうちは食事への意識が低くなりがちで、特に若い人は食事を適当に済ませてしまう人が多い傾向があります。若いころの食習慣は将来の健康も左右するため、若い頃から十分な栄養を補給することが必要です。

 

カルシウムや食物繊維不足の現代人

特にカルシウムや食物繊維は現代人に不足している傾向があります。若い女性のカルシウム不足は将来の骨粗鬆症のリスクを増やしてしまいます。若い世代は朝食を食べない人も多く、栄養不足となっている割合が多くなっています。(1)(2)

 

食物繊維は食生活の変化により現代人では不足しがちになっており、厚生労働省によれば目標1日20g程度が必要なところ平均14g程度に留まっているというデータがあります。(3)

 

青汁の原料である大麦若葉やケールには豊富な食物繊維が含まれているので、非常に効率よく食物繊維不足を補えるという点でも優れています。カルシウムなどのミネラル分についても、青汁で不足を補うことができます。

青汁は食生活が乱れがちな方に役立つ栄養補助食品

青汁を1回飲むだけですぐに身体が良くなることは難しいですが、続けることによりさまざまな体質改善や生活習慣病などの予防に役立てることができます。

 

どうしても食生活の改善が難しい人や簡単に栄養を補いたい人にとって、飲むだけで栄養を補給できる青汁は頼りになる存在といえます。

 

特に、以下のような食生活をがある人には青汁はサッと飲めて役立つアイテムです。

外食がおおく野菜をたべる機会が少ない方の栄養補給(食物繊維不足)
好き嫌いがあり栄養バランスが取れていない方(栄養の偏り)
食が細く十分な栄養が摂れていない方(ビタミン・ミネラル不足)
揚げ物や炭水化物中心の食事がおおい方(食物繊維不足)
甘いものや間食をする機会がおおい(糖質・エネルギーの摂りすぎ)
野菜嫌いのお子様や野菜を噛む力が衰えてきた高齢者(栄養の偏り)
コンビニ食やレトルト、インスタント食品を食べることがおおい(ビタミン・ミネラル不足)

青汁を選ぶときにはどれを選ぶかがカギを握っている?!

緑黄色野菜と青汁

 

青汁といっても、原料の種類、産地、製法、また添加物などによって製品ごとに大きな差があることも事実です。健康に良さそうと思って青汁を飲んでいるのに、実際は糖分や添加物ばかり摂取していた、なんていうこともあるので注意しなければいけません。

 

第一に、青汁は原材料のメインが緑黄色野菜であるものを選ぶようにしましょう。さらに、より健康に良い青汁を取り入れたいならば、信頼できるメーカーであること、原材料の安全性、添加物の有無などについても確認して選ぶことが大事です。正しい知識と確かな目で、本当に良い青汁を選んで取り入れるようにしましょう。

 

青汁の選び方についてはこちらのページで解説しております。

総括:青汁を最大限に役立たせるために

青汁は効果があるのか無いのかという疑問は解決できたでしょうか?青汁は飲めばすぐに効くおくすりのような即効性はなく、青汁だけ飲んでいれば栄養が全て補給できる食品というわけでもありません。まずは本当に自分にとって必要なのかどうか考えてみましょう。

 

しかし、豊富な栄養を効率よく取り入れることができるという点では、青汁は忙しい現代人には非常に理にかなった食品でもあります。
より健康で元気に暮らすために青汁を取り入れるならば、賢く確かな目線で青汁を選んで、正しく取り入れていくことが大切です。青汁を上手に食生活に取り入れて、健康で快適な毎日を目指してください。

 
笹尾真波さん

この記事のライター薬剤師:笹尾真波

薬剤師および薬学修士。
趣味はヨガと旅行。
大学院卒業後、某内資系製薬企業にて市販薬の企画開発・マーケティングなどに携わる。その後、都内大型門前病院前のドラッグ併設調剤薬局にて調剤業務および市販薬のバイヤー・在庫管理・販売にも携わる。サプリメント・ハーブやオーガニックコスメ販売にも従事。

外資系製薬企業にてDI業務および学術情報部門で4年ほど勤務(主に糖尿病、免疫関連を担当)。その後、小児科門前の調剤薬局にて管理薬剤師の経験を積む。
現在は非常勤薬剤師として調剤薬局で勤務する傍ら正しい薬の使い方、さらに生活習慣や食習慣の改善を提案をする薬剤師ライターとしても活動中。

 

参考文献

薬剤師が伝授する青汁の効果のきほんと役立ち記事一覧

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